農業で地方移住|新規就農の支援制度まとめ【農林水産省公式情報で解説】

目次

はじめに|「農業をしながら地方で暮らしたい」、でもお金が心配

「農業で地方移住したい」と考えたとき、こんな不安が浮かびませんか。

「農業って初期費用がかかりそう」
「軌道に乗るまでの生活費はどうなるの?」
「農業の経験がないのに始められる?」
「リスクが高くて失敗したら怖い」

実は、新規就農者を支援する国の制度は充実しています。研修期間中から月13.75万円の生活費支援を受けられ、就農後も最長3年間の資金支援・無利子融資まで、農林水産省が一連の支援体制を整えています。

この記事では、農林水産省(maff.go.jp)の公式情報をもとに、新規就農者が活用できる主な支援制度を整理します。「農業で地方に根を張りたい」という方への入門ガイドとして活用してください。


まず「認定新規就農者」になることが支援の入口

新規就農の支援制度の多くは、「認定新規就農者」であることが受給の前提条件です。まずこの制度の仕組みを把握しておきましょう。

認定新規就農者制度とは

新たに農業を始める方が作成する「青年等就農計画」を市町村が認定し、その計画に沿って農業を営む認定新規就農者に対して重点的に支援措置を講じる制度です。(出典:農林水産省「認定新規就農者制度について」maff.go.jp)

対象者

対象者は、新たに農業経営を営もうとする次のいずれかに該当する方です。

  • 青年(原則18歳以上45歳未満)
  • 特定の知識・技能を有する中高年齢者(65歳未満)
  • 上記の者が役員の過半数を占める法人

※農業経営を開始して一定の期間(5年)を経過しない者を含みます。

認定を受けるまでの流れ

  1. 新規就農者が「青年等就農計画認定申請書」を作成し、市町村に申請
  2. 市町村が同計画を審査・認定
  3. 認定後、市町村・都道府県等の関係機関がフォローアップ

申請様式の作成前に、必ず都道府県(普及指導センター)や市町村に相談することが必要です。(出典:農林水産省 maff.go.jp)


支援①|就農準備資金(研修中の生活費支援)

制度の概要

道府県農業大学校や先進農家等で研修を受ける場合、研修期間中に月13.75万円(年間最大165万円)を最長2年間交付します。(出典:農林水産省「就農準備資金・経営開始資金」maff.go.jp)

農業を始める前の「修行期間」中の生活費を国が支援してくれる制度です。「農業を学ぶ期間、収入がゼロになる」という不安を大幅に軽減できます。

対象者

49歳以下の方が対象です。

交付主体

都道府県・市町村・青年農業者等育成センター・全国農業委員会ネットワーク機構が交付主体です。

注意点

申請様式を作成する前に、必ず交付主体(都道府県等)に相談してください。要件の確認が必要です。(出典:農林水産省 maff.go.jp)


支援②|経営開始資金(就農後の生活費支援)

制度の概要

新規就農される方に、経営開始から経営が安定するまでの最大3年間、月13.75万円(年間最大165万円)を交付します。(出典:農林水産省「就農準備資金・経営開始資金」maff.go.jp)

就農準備資金(研修中・最大2年間)と経営開始資金(就農後・最大3年間)を合わせると、最長5年間にわたって月13.75万円の生活費支援を受けられる可能性があります。

要件

認定新規就農者であることが必要です。

夫婦就農の場合は1.5人分の交付も

夫婦ともに就農する場合(家族経営協定等により共同経営者であることが明確な場合)は、夫婦合わせて1.5人分の交付を受けることが可能です。また、複数の新規就農者が法人を新設して共同経営を行う場合は、新規就農者それぞれに交付されます。(出典:農林水産省 maff.go.jp)

注意点

こちらも申請様式の作成前に、必ず交付主体(市町村)に相談してください。(出典:農林水産省 maff.go.jp)

確定申告が必要

就農準備資金・経営開始資金の受給者は確定申告が必要です。農林水産省は青色申告の活用を推奨しています。(出典:農林水産省 maff.go.jp)

なお、月13.75万円という金額だけでの生活については、農業収入との合算・夫婦での就農・地方の生活コストの低さなど、実態に即した考え方が必要です。実際の生活費の設計については下記の記事で詳しく解説しています。


支援③|青年等就農資金(無利子融資)

制度の概要

農業経営の開始に必要な機械・施設の取得等のための資金について、無利子での貸付を行っています。(出典:農林水産省「認定新規就農者が利用できる主な施策」maff.go.jp)

取り扱いは日本政策金融公庫です。農業を始める際の初期投資(農機具・ハウス・設備など)に必要な資金を、利子なしで借りられる制度です。

対象者

認定新規就農者が対象です。

併用できる有利子融資

認定新規就農者が農地等を取得する場合は、経営体育成強化資金(有利子)も利用できます。(出典:日本政策金融公庫 jfc.go.jp)


支援④|新規就農者チャレンジ事業

制度の概要

地域農業の構造転換に向けて、新規就農者が早期に経営発展するために必要な農業用機械・施設の導入等の取組を支援します。(出典:農林水産省「認定新規就農者制度について」maff.go.jp)

経営開始資金との併用

経営開始資金と経営発展支援事業を合わせて助成を受ける場合、補助対象事業費の上限額が500万円となります。(出典:農林水産省 maff.go.jp)


支援⑤|税制・収入保険によるセーフティネット

農業経営基盤強化準備金

経営所得安定対策等の交付金を活用して、計画的に規模の拡大を図る取組等を、税制面から支援します。(出典:農林水産省 maff.go.jp)この制度の活用には青色申告が必要です。

収入保険制度

農業経営全体の収入を補償する保険制度です。自然災害・価格低下など様々なリスクに対応できるセーフティネットとして、農林水産省が活用を推奨しています。収入保険の活用にも青色申告が必要です。(出典:農林水産省 maff.go.jp)


支援制度の全体像まとめ

制度名時期金額・内容対象
就農準備資金研修中(最長2年)月13.75万円(年間最大165万円)49歳以下
経営開始資金就農後(最長3年)月13.75万円(年間最大165万円)認定新規就農者
青年等就農資金就農時無利子融資(機械・施設等)認定新規就農者
新規就農者チャレンジ事業就農後機械・施設導入補助(上限500万円)認定新規就農者
農業経営基盤強化準備金就農後税制優遇青色申告者
収入保険就農後収入全体を補償青色申告者

(出典:農林水産省 maff.go.jp)


地域おこし協力隊との組み合わせ|最強の就農プランとは

新規就農の支援制度と地域おこし協力隊を組み合わせると、より安定したステップで農業独立を目指せます。

任期中:農業を学びながら報酬を受け取る

農業系ミッションで地域おこし協力隊として活動しながら、地域の農家との関係・農業技術・地域のマーケットを学ぶ3年間を過ごします。報酬をもらいながら農業を学べるのは、協力隊という制度ならではの機会です。

任期後:認定新規就農者として独立

任期終了後に「青年等就農計画」を市町村に申請し、認定新規就農者として独立就農。経営開始資金(月13.75万円・最長3年)+青年等就農資金(無利子融資)で、就農直後の資金面のリスクを大幅に軽減できます。

任期延長制度(令和8年度〜)との接続

令和8年度から施行の任期延長制度では、農業での起業・事業承継を目的とする場合、地域おこし協力隊の任期を最大5年まで延長できます。農業の準備期間をより長く取れるようになりました。


相談窓口|まず動く前に相談を

農林水産省は、各支援制度の申請前に必ず窓口に相談することを求めています。

  • 本事業・新規就農全般に関する相談:各農政局等の窓口(農林水産省 maff.go.jp で案内)
  • 就農したい地域での相談:各都道府県の就農相談窓口(be-farmer.jp より検索可能)
  • 市町村の窓口:農業委員会・農業振興課など

まずは「就農したい地域の市町村」に問い合わせてみることが、最初の一歩です。


まとめ|最長5年間の生活費支援+無利子融資という手厚い体制

  • 就農準備資金(研修中・最長2年)+経営開始資金(就農後・最長3年)で、合計最長5年間、月13.75万円の生活費支援が受けられる可能性がある
  • 青年等就農資金で農機具・施設の取得費用を無利子で借りられる
  • 新規就農者チャレンジ事業で機械・施設導入の補助(最大500万円)も
  • 収入保険・農業経営基盤強化準備金で経営リスクにも備えられる
  • これらすべての入口となるのが「認定新規就農者」の認定

最新の制度情報・要件については、必ず農林水産省の公式サイト(maff.go.jp)または地域の相談窓口でご確認ください。制度は年度ごとに変更される場合があります。

ロカスモは、あなたの農業・地方移住への一歩を応援しています。

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