はじめに|「子どもを連れて、地方に移住したい」その前に試せることがある
「地方に移住して、自然の中で子育てしたい」
「でも、子どもが保育園に通えるか心配」
「仕事はリモートで続けられるけど、踏み出せない」
そんな子育て家族にとって、強力な「お試し移住」の手段が「保育園留学」です。
2021年11月に北海道厚沢部町から始まったこのプログラムは、2025年3月時点で全国約50地域に広がり、延べ2,000家族以上が利用しています。子どもは地域の保育園に1〜2週間通い、親はリモートワークをしながら地方の暮らしを丸ごと体験できます。
この記事では、保育園留学の仕組み・費用・体験者の声を整理します。
保育園留学とは
基本的な仕組み
保育園留学は「子育て家族が1〜2週間、家族で地域に滞在し、子どもは現地の保育園に通う暮らし体験プログラム」です。株式会社キッチハイク(東京都台東区)が運営しており、「保育園留学®」は登録商標・ビジネスモデル特許取得済みのサービスです。
保育園での預かりには、一時預かり制度を活用しています。一時預かり制度とは、保育園に空きがあれば、その園に所属していない子どもでも一時的に預かってもらえる制度です。保育園留学に参加している保育園はもともと一時預かり制度を実施している園のため、スムーズに受け入れてもらえます。
対象と期間
- 対象:未就学児(0〜5歳)のいる家族
- 滞在期間:1〜2週間(一部プランは1〜3週間)
- 地域:全国約50地域(2025年3月時点)
パッケージの内容
保育園での一時預かり・宿泊・ワークスペース・地域体験などをパッケージ化しています。親がリモートワークできる環境が整っているのが特徴です。
旅行・ふるさとワーホリとの違い
| 区分 | 滞在期間 | 対象 | 仕事 |
|---|---|---|---|
| 観光旅行 | 数日 | 家族・個人 | なし |
| 保育園留学 | 1〜2週間 | 未就学児のいる家族 | リモートワーク可 |
| ふるさとワーホリ | 2週間〜1ヶ月 | 主に単身・夫婦(子連れは少ない) | 現地で就労 |
| 地域おこし協力隊 | 最長3年 | 個人(家族帯同可) | 地域活動 |

実績データ
キッチハイク社の公開情報によると、2025年3月時点の実績は次の通りです。
- 全国約50地域に拡大
- 延べ2,000家族以上(大人と子ども計6,000人以上)が利用
- リピート希望率:97〜99%
- 参加家族の約7割が移住に関心を持つ
- 北海道厚沢部町では年間推計3,300万円の経済効果
2023年「ペアレンティングアワード」受賞・内閣府「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」認定も受けています。
体験者のリアルな声
複数の体験者ブログ・体験談から、リアルな声を集めました。
「子どもが別人のようにたくましくなった」
新潟県佐渡市への保育園留学を体験した家族のコメントです。
「親子共に貴重な経験ができました。息子もたくましく成長したなと思います。私達には田舎が無く山が近くにあったり海が身近にあったりということがありませんでした。自然を感じるのびのびとした環境のなかで、柔軟な年頃に良い経験ができたと思います」(新潟県佐渡市・保育園留学体験者の声より)
「仕事が集中できた。働き方を見直すきっかけに」
北海道厚沢部町で1週間体験した会社員のりぃさん(note)の体験から。
保育園の預かり時間は7:30〜16:30の中の8時間。「時間が限られていることで逆に集中できた気もします」と報告。仕事を終えてから海に行き、温泉に入り、21時に就寝する生活を「都市部では味わえない健康的な1日だった」と振り返っています。また「普段より2時間短い仕事時間を体験して、1日の時間配分を見直したいと思った」と働き方への気づきも語っています。
「移住を現実的に考えるようになった」
富山への保育園留学を体験した家族は「プレ移住体験としてとらえており、富山への移住について冬を体感してみてからだが、子育てしやすいと感じた」とコメント。まだ完全移住には至っていないものの、保育園留学が移住の現実的な検討につながった事例です。(富山テレビ・FNNプライムオンラインの報道より)
「ここが合うかどうか、正直に分かった」
北海道厚沢部町を体験したりぃさんは、「自然豊かであればどこでもいい訳ではなかった」という気づきも率直に書いています。「いざという時頼れる人が電車で来れる場所にいない、美術館や博物館などの施設に気軽に行ける距離ではないことが、自然と引き換えに失っても良いものかどうか少し考えさせられた」と。
これは保育園留学ならではの正直な体験談です。「行ってみたら合わなかった」と分かることも、移住を検討する上では大切な情報です。完全移住してから気づくよりずっと良い。
「地元の子どもにも良い刺激になっている」
北海道厚沢部町のこども園はぜるの保育士さんのコメントとして、りぃさんが紹介しています。「留学する側だけでなく、実際に地元で園に通っている子どもたちにとっても、新しいお友達との出会いや別れは良い刺激や成長につながっていてWin-Winなプログラム」とのこと。受け入れ側にとっても意義があるという声です。
「施設の充実度に驚いた」
りぃさんは「連絡帳アプリで毎日クラスの写真が送られてくるので、保育園での子どもの様子が分かってとても安心だった」とも伝えています。過疎地のこども園という先入観を覆す、充実した保育環境への驚きが記されています。
移住検討者にとっての保育園留学の意義
「家族全員で」地域との相性を確かめられる
移住検討において、よく起きる失敗が「大人だけが下見をして移住を決めてしまうこと」です。実際に子どもが保育園に通い、親が地域で生活をしてみることで、家族全員での相性確認ができます。
「子どもが保育園になじめるか」「親がリモートワークできる環境があるか」「スーパーや病院までの距離は生活できるか」。この3点を1〜2週間で実体験できるのは、保育園留学ならではのメリットです。
「移住後の生活」のシミュレーションになる
旅行と違い、1〜2週間の滞在は「暮らし」に近づきます。観光客として楽しいと感じる場所が、生活者として見たときにも住みやすいかどうかは、実際に暮らしてみないと分かりません。
りぃさんが体験した「便利家電がない環境での生活の慌ただしさ」「知らない土地での気疲れ」「いざという時に頼れる人がいない不安」は、旅行では気づけない移住のリアルです。
参加家族の7割が「移住に関心を持つ」
キッチハイク社の調査によると、参加家族の約7割が移住に関心を持つようになっています。保育園留学が単なる体験にとどまらず、移住のきっかけになっていることがデータからも分かります。

費用の目安
費用は地域・プラン・期間によって異なりますが、子ども1人・大人1人・1週間で参加した場合の費用として、宿泊・保育・ワークスペースがパッケージ化されています。最新の料金は公式サイト(hoikuen-ryugaku.com)でご確認ください。
なお、ふるさと納税の返礼品として保育園留学の費用の一部に充当できる「留学先納税」という仕組みもあります。例えば10万円を寄附すると、3万円分が宿泊費やプログラム費に充当できるケースもあります(実質自己負担は2,000円)。また、一部の地域では独自の補助金制度も設けられています。
交通費は基本自己負担です。夏・冬の繁忙期より、春・秋のほうが2〜3割程度安く滞在できることが多いです。
参加の流れ
- 公式サイトで留学先を探す(hoikuen-ryugaku.com)
- 気になる地域・保育園を選ぶ(地域・保育スタイル・時期で絞り込む)
- オンライン面談(希望者):コンシェルジュにプランニングを相談できる
- 予約・確定:申し込みから確定まで約1週間程度
- 現地へ出発・滞在
まとめ|「移住前の最後の一手」として保育園留学を使う
保育園留学は、子育て家族が地方移住の前に使える「最も移住に近い体験」です。
- 子どもが現地の保育園に実際に通う
- 親はリモートワークをしながら地方の暮らしを体験する
- 1〜2週間という期間が「旅行以上・移住未満」のリアルを教えてくれる
- 参加家族の7割が移住に関心を持つ
「合う地域かどうか」を家族全員で体験してから移住を決める。それが保育園留学の最も大切な使い方です。
まずは公式サイト(hoikuen-ryugaku.com)で、気になる地域の留学先を探してみてください。
ロカスモは、あなたと家族の地方移住を応援しています。




