人口5万人以下の町でも仕事はある!ネットに載らない“隠れ求人”を見つける地方移住の仕事探し完全ガイド

地方移住を考えて、まずは求人サイトで検索してみる。ところが――

「え、求人 0件?」
「やっぱり地方って仕事がないのでは……?」

こんな風に不安になってしまう人は、とても多いです。

でも、結論から言えば 「ネットに求人が出ていない=仕事が無い」ではありません。

むしろ人口5万人以下の町では、
優良求人の多くが“ネットに載らないまま”動いている のがリアルです。

ロカスモでは、全国の地方自治体や地域事業者に取材する中で、こうした “アナログな仕事の見つけ方” が実際に効果を発揮している事例をたくさん見てきました。

本記事では、求人サイトに頼らずに働き口を見つけるための 再現性のある「アナログ仕事探し術」 を紹介します。


目次

なぜ地方の求人はネットに出てこないのか?

まずは前提を整理しておきましょう。

① 求人掲載のコストが高い

大手求人サイトに掲載すると、数十万円かかることも珍しくありません。
従業員3〜10人の小規模事業者にとって、その費用は大きすぎます。

② ITリテラシーと“慣習”の壁

社長が高齢というケースも多く、「ネットで募集する」という発想自体が浸透していません。
「ハローワークに出せば十分」「知り合いの紹介が一番安心」といった文化が根強いのです。

③ よそ者への慎重さ

どんな人が来るのかわからないネット応募よりも、
“顔が見える範囲で採用したい” という心理が働きます。

つまり、

地方には求人が「隠れているだけ」です。

この「隠れ求人」をどう見つけるか――ここからが本題です。


方法①:ハローワークは“ネット”ではなく“現地窓口”へ行く

「ハローワークならネットで見てるよ」という方、実はそれだけではもったいないです。

現地窓口にしか出ていない求人がある

地方では、

  • ネット公開不可(事業所名非公開)
  • 窓口端末のみで閲覧できる求人

が普通に存在します。

相談員は“地元企業と深いつながり”を持つ

小さな町では、相談員が企業の社長と顔見知りであることも珍しくありません。

攻略法(すぐ使えるステップ)

移住の下見で現地を訪れた際、必ずハローワークの窓口へ行ってください。

その時に、

「移住を検討していて、地域で働きたいです」

と正直に伝えましょう。

すると、相談員が企業に 電話一本 入れてくれることがあります。

これが驚くほど強力で、

面接がその場で決まるケースが本当に多い。

地方就職では “この電話一本” が、ある意味で最強のエントリーシートです。


方法②:空き家バンクの担当者に“仕事”を聞く

実は、知る人ぞ知る “最強の情報源” がここです。

空き家バンクは、

  • 役場職員
  • 地元の不動産業者
  • 地域づくり団体

などが運営しており、みんな地域の人と深いネットワークを持っています。

攻略法:内見ついでに聞いてみる

内見のときに、さらっと聞くのがポイントです。

「この近所で、人を探している企業や農家さんってありますか?」

すると、

  • 「製材所が若い人を探していたよ」
  • 「そこの農家さん、収穫期に人手が足りないって言ってたよ」

など、ネットには絶対に出ない “地元の生情報” が流れてきます。

家探しと仕事探しは、地方ではワンセット。
「住みたい」と言う人には、地域側も自然と協力モードになるからです。


方法③:ゲストハウス・居酒屋は“求人掲示板”だと思え

人口5万人以下の町では、求人票よりも 噂のほうが早く届きます。

現地で立ち寄るべき場所

現地へ行ったら、以下に必ず立ち寄りましょう。

  • 地元民が集まる居酒屋
  • ゲストハウス(交流スペースがある場所)

「宣言」することがつながりの入口

そこでのポイントは、遠慮しすぎないこと。

「移住を考えていて、こんな仕事を探しています!」

と、少し大げさなくらい伝えてみてください。

自己紹介のテンプレは、例えばこんな感じです。

  • 元○○の経験があります
  • DIYができます
  • 体力に自信があります
  • 子育てしながら働きたいです

すると、必ずと言っていいほど、

「そういえば、あそこの社長が困ってたな」

という“橋渡し”が起こります。

地方は “求人票を待つ文化” ではなく、
“困っている人と、助けられる人をつなぐ文化” なのです。


方法④:事業承継(継業)を視野に入れる

もしあなたが「将来は自分でやりたいことがある」タイプなら、
地味におすすめなのが 事業承継(継業) です。

地方では、

  • 後継者がいない
  • 高齢化で続けられない

といった理由から、黒字でも廃業してしまうケースが大量に発生しています。

一方で、見ず知らずの他人に事業を承継したい人はなかなかいないため、いきなり「事業承継をしてやる」という態度で接するのではなく、時間をかけて信頼関係を構築することが重要です。

こんなお店・事業が狙い目

  • 人気の食堂・カフェ
  • 理容院・美容室
  • 小さな旅館・民宿
  • 地域密着の商店
  • 工務店・町工場

チェックしておきたい情報源

  • relay(リレイ) などの事業承継マッチングサイト
  • 各地の商工会議所
  • 自治体の事業承継支援窓口

ゼロから起業するよりリスクが低く、地域に歓迎されやすいのも特徴です。

補足:働きながら地域に馴染む選択肢として「地域おこし協力隊」もある

地方で仕事がすぐに見つからない場合の“第三の選択肢”として、地域おこし協力隊も視野に入れておくと可能性が広がります。

協力隊は、最大3年間、自治体と業務委託または雇用契約を結びながら地域に関わる制度で、任期中は安定した収入を得つつ、地域に深いネットワークをつくることができます。

地域おこし協力隊が「仕事探しの準備期間」になる理由

  • 移住直後から収入が確保される
  • 地元企業・事業者とのつながりが自然に増える
  • 任期中にスキルアップや副業に挑戦しやすい
  • 卒業後の就職・起業・継業に繋がるケースが多い

特に人口5万人以下の町では、協力隊が「地域に入るための入り口」として機能することが多く、任期中に地元企業からスカウトされたり、事業承継につながる事例も珍しくありません。

注意点:協力隊は“ゴール”ではなく“入口”

たとえ地域おこし協力隊を選んだとしても、目的は「任期後にどう暮らしたいか」。
最初から「その土地で生きていくキャリア設計」を描いておくと成功率が大きく上がります。

地方移住で仕事探しに悩む人にとって、協力隊はとても実用的な選択肢の一つ。
“地域の内側から仕事の情報が入ってくる環境”をつくれるのが最大の魅力です。


地方の仕事探しで「絶対にやってはいけない」3つ

最後に、アナログな仕事探しで失敗しないための心構えをまとめます。

① お客様態度を出す

「来てあげた」感は、一瞬で伝わります。
地方の採用は、「一緒に地域をつくる仲間かどうか」が最重視されます。

② 条件ばかり先に詰める

給与・残業・有給――もちろん大事です。
でも初対面で細かく詰めすぎると、警戒されてしまいます。

まずは人間関係と信頼をつくる。
条件のすり合わせは、そのあとでも十分間に合います。

③ 運転免許がない

特に軽トラ運転は、地方の仕事で“ほぼ必須”です。
AT限定で十分なので、早めに取得しておくと選択肢が一気に広がります。


まとめ:アナログな仕事探しは「地域で仲間をつくる時間」

地方の仕事探しは、効率だけで見れば都会より時間がかかります。

でも、紹介やつながりで決まった仕事は、

「入社初日から顔見知りがいる」

という大きな安心感があります。

求人サイトで“0件”の画面を見ても、絶望する必要はありません。
その町には、ネットに出ない仕事がまだまだ眠っています。

次の週末は、スマホを閉じて、
名刺とちょっとしたお土産を持って、その町へ行ってみませんか?

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