地方移住で「こんなはずじゃなかった」と感じた10のリアルな壁とその乗り越え方

地方移住には、自然豊かな環境や人とのつながり、ゆったりとした時間の流れといった魅力があります。都会の暮らしに疲れた30代を中心に、「もっと自分らしい暮らしを」と移住を検討する人が増えてきました。しかし、理想と現実のギャップに戸惑い、「こんなはずじゃなかった」と思う瞬間に直面することも。この記事では、地方移住を実際に経験した30代のリアルな声をもとに、よくある“ギャップ”とその背景、そして乗り越えるための具体策を紹介します。「やっぱりやめておけばよかった…」と後悔しないためにも、現実の一面を知って、納得できる移住計画を立てる参考にしてください。


目次

1. 交通インフラの不便さに驚いた

地方では「駅が近い=便利」とは限りません。そもそも鉄道が走っていない自治体や、駅まで車で30分以上かかる地域も珍しくありません。電車は1時間に1本、バスは2時間に1本、タクシーはすぐ捕まらない…。日常の買い物、通勤、子どもの送り迎えも“車がある前提”で回っている地域が大多数です。

対策とヒント:

  • 移住候補地の公共交通の頻度・ルートを必ず下調べする
  • 免許を持っていない場合は取得を検討し、予算に「車の購入・維持費」も組み込む
  • 駅近エリアや買い物施設が徒歩圏にある物件を優先的に探す
  • デマンド交通やカーシェアの導入状況を確認

2. 欲しい物が手に入らない

100均や大型スーパー、薬局の品揃えが思ったより少ない。特に離島や山間部では物流が限られ、ネット通販も送料が高くなるため、買い物が不便に感じやすいです。コンビニが24時間営業でない地域もあります。

対策とヒント:

  • よく使う品目をリスト化して、現地での入手可否を確認
  • 日用品や衛生用品はまとめ買い&ストックをルーティンにする
  • 都市への外出時は「まとめ買いデー」として活用
  • 地元の直売所や移動販売を活用して、地域の流通に馴染む

3. 医療体制の心細さ

「救急車を呼んでも30分以上来ない」「産婦人科が島外にしかない」など、医療アクセスに対する不安は多くの移住者が感じています。特に子育て中や持病がある人には重要な要素です。

対策とヒント:

  • かかりつけ医が見つかりそうか移住前に確認
  • 診療科のカバー範囲や距離を優先条件に
  • ドクターヘリや医療タクシーの有無をチェック
  • 出産は島外対応の制度や補助金も活用

4. 思ったより生活費が下がらない

プロパンガス代、暖房費、車の維持費など、地方は安くなるどころかコストアップする部分も。特に収入も減っていると生活が圧迫されることに。

対策とヒント:

  • ガスの種類・光熱費・交通費などを具体的に試算
  • 家庭菜園や地域産直で食費節約
  • 家賃以外の維持費(修繕費など)も予算化
  • 補助金・助成金制度は市町村単位でリサーチ

5. 娯楽が少なくて退屈

都市部のような娯楽施設や気軽な外出先がなく、「週末何しよう?」となることも。特に若年層・単身世帯では孤独感につながりやすい傾向があります。

対策とヒント:

  • 趣味やライフワークを持ち込む・再発見する
  • 地域の行事やサークルに参加する
  • コワーキング、マルシェ、図書館など公共の場を活用
  • オンラインでの学びや交流にも目を向ける

6. 虫や野生動物との距離が近い

ムカデやカメムシとの遭遇、洗濯物への虫付着、夜の虫の鳴き声…。虫が苦手な人には大きなストレスになることも。

対策とヒント:

  • 物件選定時に周囲の虫環境や築年数をチェック
  • 防虫ネット・すき間対策・殺虫剤などで備える
  • 季節ごとの虫対策スケジュールを作る
  • 慣れる・笑いに変える・共有する、という心構えも大切

7. スローライフのはずが、意外と重労働

草刈り、雪かき、水回りの点検…。特に古民家や広い敷地を選んだ人ほど、日常のメンテナンス作業の多さに驚きます。

対策とヒント:

  • 設備の整った家や敷地の狭い物件から始める
  • 便利グッズ・機械を活用して効率化
  • 地域のシルバー人材・便利屋に外注
  • 地域イベントと兼ねた作業で、負担を分担

8. ご近所付き合いが濃い

「噂が広まりやすい」「行事が多い」「お礼の習慣が分からない」など、都市部とは異なる人間関係の濃さに驚くことも。

対策とヒント:

  • 最初のあいさつ・お礼は丁寧に(お菓子や手紙など)
  • 無理のない範囲で地域行事に参加
  • 線引きを意識しつつ、誠意を持った対応を
  • 鈍感力とユーモアも“田舎力”のひとつ

9. 地元の文化や習慣とのギャップ

草刈りは30分前集合、祭りは参加必須、手土産の金額感…。暗黙のローカルルールが存在する地域では、最初に戸惑いがちです。

対策とヒント:

  • 「教えてください」の姿勢で学ぶ
  • 地域のしきたりに敬意を持つ
  • 無理に合わせすぎず、時間をかけて馴染む

10. 仲間ができず、孤独を感じた

知人ゼロからのスタート。特にテレワークや単身世帯では孤独感が強くなる傾向があります。

対策とヒント:

  • 趣味や仕事を通じてつながりをつくる
  • 移住者交流会・地域イベントに参加
  • オンラインコミュニティやサロンを活用
  • 「孤独も一時期」と割り切って前向きに行動

最後に

地方移住には数々のギャップがありますが、それを知ったうえで対策を講じておけば、多くの不安やストレスは軽減できます。移住後の満足度は「想定外をどれだけ潰しておけたか」で決まるとも言えるでしょう。

ロカスモでは、こうした“リアルな声”と“備える知恵”を今後も発信していきます。移住を考えるあなたが「想定外だった」ではなく「これでよかった」と思えるように——その一歩を一緒に考えていけたら嬉しいです。

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